令和7年度解剖慰霊祭が開催されました

朝晩と日中の気温差が大きく、季節の移ろいを感じるこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

解剖慰霊祭は、愛知医科大学での最も重要な行事の一つとの位置づけで毎年5月初旬ごろに執り行っております。
系統解剖(医学生が正常な体の構造を学習するための解剖)・病理解剖の対象となられた故人のご冥福をお祈りしております。
令和7年度は5月12日(月)、お知らせの別ページで紹介しております不老会集いの会に引き続き、覚王山日泰寺本堂にて執り行われました。

当日は78名のご遺族様と、不老会役員の皆様にご参列いただきました。
また、本学からは医学部長および当講座教授の内藤をはじめ、関係教職員ならびに医学部2年次の学生が参列いたしました。

今年度の慰霊祭では、令和6年度4月から系統解剖と病理解剖にご遺体を供せられた74柱の御霊(みたま)を新たに合祀し、総数5500柱の御霊に対し、法要が営まれました。

午後2時より覚王山日泰寺内の本堂にて導師の入堂により祭儀が始まりました。最初の「三拝」では参列者一同、御霊に深い感謝と尊崇の念を捧げました。続いて愛知医科大学医学部長の笠井謙次様、公益財団法人不老会理事長の久野格彦様よりそれぞれ「慰霊の辞」としてご献体された方々への慰霊の言葉が述べられました。

「慰霊の辞」に引き続き、本学二学年次を代表しての小島優輝さんより「礼辞」として、ご献体された方々及びそのご遺族様に向けて感謝の言葉を述べました。文章の一部をご紹介させていただきます。
「今回、解剖学実習を行うにあたって、御身体を献体してくださった方々は私たちの人生で最初の患者さんであり、私たちに限りなく多くのことを教えてくださる先生でもあります。自らの手でメスを入れる以上、生半可な知識では決して許されないということを痛感しました。この経験を通して、医師となる覚悟が少しずつ芽生えた様に感じています。また、自らの手で解剖をして得た知識は、印象深く、決して忘れることのない宝となりました。まさに「百聞は一見にしかず」という言葉を実感する貴重な体験となりました。 この実習で得た知識、その時々に考え感じたことを決して忘れることなく、将来私たちが医師となった際にはそれらを多くの患者さんに還元し、一つでも多くの命を救える医師となって、ご献体くださった方々の崇高なご意志に応えるため、邁進してまいります。」

祭儀の終盤には参列者が順番に焼香を行い、献体者のご冥福を祈りました。最後に本学医学部長の笠井謙次様より謝辞が述べられました。

閉式の儀をもって令和7年度の解剖慰霊祭は滞りなく終了いたしました。

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